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株式投資の楽しみでもある株主優待ですが、優待欲しさの為に長期投資を行い、そのまま放置することはリスク管理の上でかなり危険な行為です。
株主優待は企業から株主への気持ちのようなもので、言い換えると送っても送らなくても本来はどちらでもいいのです。
株主優待を目的とした株式取引は「投資」でもあり、資産運用のひとつです。
投資を行うにあたり、リスクを把握して資産運用を行いましょう。
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優待落ち・配当落ちとは

株主優待や配当金は、権利確定日の3営業日前である権利付き最終日に株主でいる必要があるのですが、権利付き最終日に向けて権利を得ようと株価が上昇する傾向があります。
上昇した優待&配当株は、権利を取得した後に下落する傾向が強いことが一般的です。
これがいわゆる「優待落ち」や「配当落ち」というものです。
権利付き最終日後に下落しやすいのはナゼ?
優待や配当金を貰うには権利付き最終日中に株を購入し、翌日売っても優待も配当金ももらうことができます。
この時点で株価が購入金額よりも上回っていれば効率よく利益を得ることが出来るでしょう。
しかし、投資の世界はそんなに甘くはありません。
優待株や高配当株は、権利付き最終日に向けて徐々に投資家の資金が集まり上昇する傾向があります。

その権利を獲得した後は効率を優先に考え、限られた投資金を他の銘柄にシフトする為、売り注文が多くなり株価は下落しやすくなります。
どのくらい下落するのか
権利付き最終日を過ぎた優待銘柄はどれくらい下落するのでしょうか。
これは銘柄によって様々ですが、理論上「株主権利の価値分が下落する」と言われています。
株主権利の価値分とは・・・
権利付き最終日に1株1,000円のA銘柄が1株あたり20円の配当金を出すとします。
権利落ち日に1株あたり20円、100株で20,000円分株価が下落する計算になります。
もし売りに出して20,000円損したとしても配当金が20,000円入るので±0になります。
この株価は、長期目線で見ると戻る可能性もありますが、民間企業への投資なので決算後に悪材料が出た場合、ズルズルと下がっていく可能性もあります。
ただ、配当落ちは必ずある訳ではないので、権利付き最終日前なのに株価が安定している銘柄についてはさほど下がらない可能性もありますし、好決算を期待されて買いが先行する場合もあります。
逆に何も材料が出ていない状態で高騰した優待株は、権利落ち日に下落する可能性が強くなるので、見極めて保有することがよいでしょう。
配当落ちを上手く狙う手法
配当落ちや優待落ちと言っても、安定して配当金や優待を出している優良株もたくさんあります。
もし5年、10年といったロングスパンで持ちたい株の場合、来年や中間決算に向けて配当落ちを上手く狙って買いを定めていく手法もあります。
例を上げます。
日本を代表する高配当株「日産自動車(7201)」
日産自動車は、長年に渡り高配当を維持しており、この配当の権利を取得するため権利落ち日には資金が集中しやすくなります。
その後売りも先行されるので、この下がったタイミングで買い増しを行い、長期的に資産を運用する方法もあります。
株価が下落すると配当利回りは高くなるので、資金は拘束されてしまいますが、
- あまり頻繁に取引しない
- 普通口座から投資運用への一歩
このように考えている方にはおすすめの手法です。
▼おすすめ記事
【【2019年版】株主優待と配当金、両方狙えるおすすめ銘柄15選】
- 権利付き最終日は優待体分の下落を招きやすい
- 権利落ちを狙い買い増す戦略もできる
株主優待の廃止・改悪

冒頭でも触れたように、株主優待は企業からのプレゼントです。
広告効果も示す株主優待ですが、企業は利益の中から出しているものですので、業績が悪くなると改悪されたり最悪の場合廃止になることも十分有り得るのです。
これは珍しいことではなく、毎年改悪や廃止されている銘柄が多数出ています。
逆に、改良されたり新規で優待を取り入れたりする企業もあるので、購入前に「過去に改悪や廃止期間があったのか」など調べてみましょう。
優待が改悪・廃止された銘柄はどうなる
株主優待の魅力によって買い支えられていた銘柄は、改悪のIR(企業から株主への状況提示)が出た途端、直近の株価は下がる傾向が強くあります。
これは、株主優待目当ての投資家の資金が抜けるからであり、よく考えたら当たり前のことです。
優待が欲しくて株主でいたのに、その優待が無くなったのであれば株主でいる必要性がなくなります。
ただ問題はその後です。
その優待改悪が業績不良による改悪なのか。
過去の銘柄によっては、優待は廃止したものの、配当金へシフトする銘柄もありました。
この場合は、さほど下落はないでしょう。
業績不良で改悪になった場合、そのままズルズル下がるか息を吹き返すかは銘柄の決算次第になります。
優待ショックを起こした銘柄
では、参考までに過去に優待を改悪し、大きな下落を招いた銘柄を紹介します。
KeyHolder【4712】
ジャスダック上場のKeyHolder(旧:アドアーズ)ですが、2016年にエステサロンOliveSPAの2万円相当の株主優待を新設すると話題を呼びました。
2,000株以上で1枚、5,000株以上で5枚と相当太っ腹な優待で、無名銘柄は一気に高優待株へと駆け上がりました。
優待前までの株価は1株70円ほどでしたが、2016年最高値は167円。
しかし、2017年3月の権利付き最終日の2週間前に、優待取得に必要な株数を2,000株から3,500株と増やすことを発表。
優待目的で短期的にあがっていたアドアーズは、IR翌日10%以上の下落をしました。

2018年3月、再度優待の拡充を発表し、株価は息を吹き返しつつありますが、それでも今のところ2017年の高値には追いついていません。
「優待をつけてみたけどやりすぎて資金繰りが上手くいかない、改悪したけど余裕があるから改良する」といったように、短期的に改悪・改良を繰り返す銘柄は不安材料が残ります。
配当利回りだけでなく、企業の資金繰りがどうなのかも確認して取引を行いましょう。
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- 短期間に改悪・改良を繰り返す銘柄に注意
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企業倒産は大丈夫?財務状況もチェックしよう

「有名な会社だから」や「よく聞く名前だから」「優待が魅力的だから」という理由で株を購入したら実は赤字続きだったなんてことがないように、気になる企業があれば売上や利益を確認しましょう。
上場企業であれば、自社の利益を公開することが義務付けられていますので、ホームページのIRページに直近の状況が記載されているはずです。
財務状況とは
すごく元気で健康そうな人も健康診断を受けます。
元気そうに見えるのに、実は隠れた病気を持っていたなんてことも有り得るからです。
財務状況(財務諸表)とは、企業の健康診断のようなもの。

この財務状況で赤字が出ていたり資金繰りが上手くいっていない企業は、優待改悪や最悪の場合倒産の可能性が高くなります。
財務状況の種類
財務状況は主に3つに分けられています。
- 貸借対照表(=負債や資産の合計)
- 損益計算書(=売上や経費を計算して純利益を表したもの)
- キャッシュフロー計算書(=会社にどれくらいキャッシュ化できるものがあるか)
これらを3つの要素を財務3表と言います。
個別に見ると時間もかかり、数字も多くて難しく思いますが、単純に考えると、純利益(売上-経費)が多く負債も少ない会社は安全地帯ということです。
この数字は財務状況からでしか確認出来ないので、「なんとなく儲かってそうだな」とフィーリングで投資するのは危険です。
株主になった企業の資金繰りが上手く行われているかどうかを確認するものになりますので、公開後は目を通すようにしましょう。
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株主優待の取得条件の確認

最後に株主優待や配当金の取得条件についておさらいしておきましょう。
決算前にある権利確定日の3営業日前(「営業日」と表記していますので土日祝は除きます)の権利付き最終日に、優待を貰える株数を購入します。
ここで注意点としまして、企業によって必要株数や権利確定日が異なりますので、都度確認することです。
その後は権利を獲得しても、企業から「おめでとう、あなたは株主優待の権利を獲得しました。」のような連絡は入らないので、ご自身で管理しましょう。
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まとめ
優待株の人気は凄まじく、企業側は我先にと趣向を凝らした株主優待を発表しています。
自社のサービスを提供する優待は、株主に広告塔として利用してもらうことで利益のチャンスを狙っているのです。
しかし、優待は企業の利益の一部ですので、株主優待の充実を意識するあまり、財務状況が悪化する可能性もあります。
直近で必要になる資産を投資に回し、思わぬ損を出さぬよう、配当落ちや優待落ちのリスクがあることを頭に置きながら上手に資産運用を行いましょう。
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