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「裁定取引」という言葉をニュースなどで1度は聞いた事があるでしょうか?
相場を大きく動かす要因でもある裁定取引について、あまり分からないということであれば是非覚えておいて欲しい取引です。
注目ポイントとして、裁定取引は理論上100%の勝率になるということ。
果たしてそんなことがあり得るのでしょうか?
勝率100%ななら是非とも推奨したいところですが、個人投資家には推奨できない理由があります。
その理由はもちろん、裁定取引を利用した相場のトレンド分析について詳しく取り上げていきますのでご覧下さい。
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裁定取引(アービトラージ)とは
裁定取引についてまずは基本から把握していきましょう。
大口の機関投資家が行う投資手法
裁定取引とはアービトラージとも言われる取引手法のひとつで、連動性のある銘柄を組み合わせ、株価と理論価格のズレを利用して売買し、価格差を稼ぐ取引のことを言います。
基本的には割安な株を買って、割高な株を売る流れですが、取引されている一例で言えば日経平均株価と日経平均先物での裁定取引があります。
日経平均株価と日経平均先物価格には理論的な関係があり、需給の関係で理論価格より高くなったり安くなったりします。
※先物の理論価格とは、現物価格から計算された理論上の価格のことを言います。現物価格より満期までの金利分高く、配当分低くなる計算です。
先物理論価格の計算式
日経平均株価 × ( 1+ (短期金利-配当利回り) × (満期までの日数÷365) )
先物が割高なら現物を買って先物を売る「裁定買い」
先物が割安なら先物を買って現物を売る「裁定売り」
このように理論価格の差を利用して取引されます。
それにより、仕込み時の差額分だけ利益を得る事ができます。
また、日経平均先物はメジャーSQ清算日には日経平均株価と同じ金額となりますので、SQ時は必ず利益を得る事ができます。
このように、理論価格のズレを利用した取引が裁定取引と呼ばれる手法です。
裁定取引は、主に大口投資の機関投資家などがリスクを抑えて稼ぐために利用しています。
裁定取引と似たペアトレード
裁定取引は連動性のある銘柄を組み合わせ価格差を稼ぐ取引となりますが、ペアトレード取引も似た取引と言えます。
ペアトレードは同業種などの連動性の高い銘柄同士をペアにし、株価が乖離しているタイミングで片方を買い、片方を空売りします。
その後、株価が近づいたタイミングで反対売買を行えば、利益を上げることができる流れです。
それにより、リスクを押さえつつ利鞘を稼ぐ取引となりますが、裁定取引と似てはいますが、違う取引です。
決定的な違いは、裁定取引は同一商品同士の取引となるのに対し、ペアトレードは異なる商品同士の取引ということにあります。
あくまで似た動きをする銘柄同士を選んで取引をするので、株価が必ず同じ動きをする保障はありませんし、価格差が同一になることも絶対とは言えません。
それに対して、裁定取引は日経平均株価と日経平均先物価格などのペアのように、SQ時には同じ価格になるので、リスクはほぼ0の取引となります。
似た取引なので勘違いしやすいところですが、裁定取引とペアトレードは違うということを覚えておきましょう。
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- 割安なものを買い割高なものを売り、価格差を稼ぐ取引
- 裁定取引とペアトレードは似た取引だが別物
勝率100%でも裁定取引を推奨できない
裁定取引はリスクを抑えた取引で理論上勝率100%ですが、個人投資家には向いていません。
何故か?見ていきましょう。
理論上は勝率100%
裁定取引は連動性のある2つの商品を利用し割安なものを買い、割高なものを売ることで、リスクなしで利鞘を稼ごうとするものです。
それらのことからも、理論上は勝率100%と言えます。
例)現物価格2,000円、先物価格2,100円の商品があった場合
※手数料、金利、逆日歩などは考えず単純化します。
理論上の先物価格は2,000円ですが、この時点で100円の乖離があります。
この状況であれば先物が割高なので、現物を買い先物を空売りします。
現物2,000円を買い、先物2,100円を空売り。
この商品がその後
①2,200円まで値上がりしていた場合
現物+200円
先物-100円
————–
計100円の利益
②1,800円に値下がりしていた場合
現物-200円
先物+300円
————–
計100円の利益
同様に違う値段で計算しても、+100円の利益となります。
裁定取引を推奨できない理由
上記のように理論上は100%の勝率となる訳ですが、実際日経平均先物と現物株で裁定取引を行うのであれば、日経平均株価と同じになるよう取引する必要があります。
日経平均採用銘柄は全部で225銘柄ありますので、全ての銘柄を同タイミングで尚且つ、日経平均株価指数と極力同じになるよう計算して購入する必要があります。
日経平均株価の計算方法としては、構成銘柄の株価をみなし額面換算したうえで合計し、除数で割って算出しています。
このように単に225構成銘柄の平均株価ではないので、常に動く株価を元に全ての銘柄を日経平均株価に近づけるような同時注文は難しいと言えます。
機関投資家などは、プログラム売買により瞬時に売買が可能なため通用する取引ですが、個人投資家にはかなり難しいでしょう。
さらに、日経平均採用銘柄、先物を同額分必要となれば数億円と高額な資金が必要な為、個人投資家には理論上100%にする売買は厳しいと言えますので裁定取引は推奨できません。
- 理論上は100%の勝率だが、現実は様々な要因から100%にはならない
- 機関投資家などが行う裁定取引は個人投資家には推奨できない
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裁定取引の「買い残」「売り残」を利用
裁定取引は推奨できませんが、裁定残を上手く利用し把握することで相場のトレンドは予測することが可能となります。
裁定買い残を参考に将来の圧力を判断
裁定取引を個人で行うのは難しいですが、裁定買い残、売り残を利用して将来の株価推移の判断材料として使用することは可能です。
裁定買い残とは
裁定取引で「先物売り、現物買い」のポジション時に、まだ裁定取引を解消していない現物買いの残高のことを言います。
裁定買い残が増加すると日経平均株価は上昇する傾向にありますが、裁定買い残は必ず解消されるので、将来の売り圧力として捉える事もできます。
裁定売り残とは
裁定取引で「先物買い、現物売り」のポジション時に、まだ裁定取引を解消していない現物売りの残高のことを言います。
逆に裁定売り残が増加すると日経平均株価は下落する傾向がありますが、こちらも裁定解消時には、将来現物買いの圧力として捉える事もできます。
この事から分かるのは、裁定残を見ることで日経平均株価のトレンドを予測できることにあります。
このように、裁定取引はしなくても裁定残を利用することで日経平均株価の天井と底を予想できるので、売買のベストなタイミングを図ることができます。
裁定取引の状況は、東京証券取引所で2営業日前分のデータを毎日大引け後に発表しています。
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【株価チャートから計るエントリータイミング】
- 裁定買い残の増加、減少で日経平均株価のトレンドが予想できる
- 裁定残の天井と底のタイミングを把握することで勝率に繋がる
まとめ
裁定取引は、基本的に機関投資家などが利用する手法として使われています。
特に日経平均先物を利用した裁定取引は市場全体に与える影響も大きいので、その動向はチェックすべきです。
個人投資家には推奨できない手法ですが、相場のトレンド予想などに役立つので、裁定買い残などの状況も把握しておきましょう。
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