絶対読んで欲しい編集部おすすめ記事4選!
株式投資における「ダークプール取引」について、とくに個人投資家の皆様にはあまり聞きなれない言葉でしょうか。
元々機関投資家向けだったダークプール取引ですが、実は、個人投資家にもメリットがある場合もあります。
最近はネット証券でも簡単に行えるようになってきた「ダークプール取引」について、わかりやすく解説していきます。
>>【無料】ゼロから安定して稼ぎ続ける投資家育成講座をタダで学ぶ目次
ダークプール取引の仕組み・特徴
ダークプール取引とはどんな取引のことを指しているのか、その仕組みや特徴から解説していきます。
ダークプールとは
ダークプールというと悪いイメージを持たれてしまいがちですが、実際のところは異なります。
ダークプールの正式名称が「dark pool of liquidity」で、いわゆる取引所を介さない取引のことを指します。
日本ではあまり普及していませんが、「時間外取引」という言葉を聞いたことがあればダークプール取引に該当しています。
一般的には市場内時間外取引市場である「ToSTNet(トストネット)」や、SBI証券が行っている私設の市場外取引「PTS(夜間取引)」があります。
これらはあくまでも投資家同士で妥当な価格で取引されているのが特徴です。
一方、証券会社と直接取引を行う相対取引も該当してきます。
これまでは機関投資家向けに大口取引を相対で引き合うケースで利用されてきましたが、2018年よりネット証券を中心に個人投資家にも門戸を広げており、今後より投資家の間で浸透することが想定されます。
ダークプール取引の仕組み
ダークプール取引は相手があってこその取引です。
従って、相互の合意の基に取引を成立させていきますが、成立のしかたはケースによって異なります。
証券会社内のシステムを使って売買する
PTSや相対取引によって取引をする場合には、証券会社内のシステムを使うことが多いです。
違いは明確で、東証などの「取引所」を介さないという点です。
取引所は基本9時から15時までの間でしか取引ができません。しかし、証券会社内のシステムは24時間ではないにせよ朝から夜まで取引ができるようになっています。
市場の価格は参考にするものの、例えば市場が終了した15時以降に業績発表を行った企業の株をダークプール取引で取引することも可能です。
また、今後ダークプール取引が普及してくると、普段サラリーマンで日中株を見ることができない方でも夜間に取引ができるようになります。
このような背景から今後の普及が見込まれます。
匿名性
ダークプール取引は機関投資家向けには広がりを見せています。
その理由は匿名性です。
ダークプール取引を活用する投資家は、外国人投資家やHFT(高頻度取引)投資家が多く、市場内でインパクトを与えてしまう可能性がある金額で取引している投資家がダークプール取引をけん引しています。
ダークプール取引によって大きな取引でも誰が売却したという印象を与えずに済むため、匿名性が高い取引方法ということで年々利用率が増えています。
外資系証券会社では機関投資家向けにそれぞれシステムを設けており、取引を受けています。
呼び値
通常市場での株式売買においては、値段の幅を指す「呼び値」が設定されています。
ダークプール取引では、通常の呼び値よりも低く設定されていることが多いです。
例えば1円単位で呼び値が設定されている場合、ダークプール取引で0.1円とされていることが多く、これにより思っていた金額で取引がしやすくなります。
場合によっては安く買えたり、高く買えたりすることがある点が特徴です。
機関投資家の大口注文が市場に及ぼす影響を回避できる
機関投資家がダークプール取引を活用するのは、大口注文で市場が変動するのを防ぐためです。
機関投資家の場合1回の取引が大きいため、取引が多くない銘柄を市場で取引すると思ったよりも金額を動かしてしまう恐れがあります。
これによって思っていた金額で売却および買付ができないというリスクが出てきてしまいます。
ダークプール取引ではこのようなニーズに応える仕組みで、市場価格を動かさずに取引を行うことが可能です。
ダークプールとPTS(夜間取引)の違い
ダークプールとPTSは近しいものですが、明確に違う部分があります。
PTSについて簡単な説明
PTSはProprietary Trading Systemの略で「私設取引システム」を指します。
取引所と同じようにリアルタイムに株取引ができるシステムで、東証が開いていない「17時~23時59分」で取引を行うことができます。
別名「夜間取引所」の役割を果たしています。
また、朝は8時20分から取引が行われているのも特徴です。
それぞれのシェア
ダークプール取引とPTS取引の違う点は、相対取引か取引所取引であるかの違いです。
PTS取引も私設取引所扱いのため、取引の趣旨が変わってきます。
直近のシェアは明確に出ていませんが、ダークプール取引がPTS取引を上回っているようです。
機関投資家向けに取引しやすいダークプール取引のシェアが拡大しています。
気配値が見える、見えない
PTSの場合は気配値が見えますが、一方で相対主体のダークプールでは気配が見えません。
そのため透明度が高いのはPTSですが、機関投資家のように背景を理解しているプロの場合はダークプールの方が取引しやすいようです。
▼おすすめ記事
【PTS(夜間取引)で翌日の株価への影響は?メリット・デメリットを解説します】
- ダークプール取引は機関投資家向けに発達している
- ダークプール取引のシェアは年々拡大中
ダークプール取引は個人投資家にとって得?損?
ダークプール取引は個人投資家にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
ダークプール取引5つののメリット
- 取引時間が長い
- 取引手数料が優遇される可能性がある
- 呼び値が細かいため思った金額で取引できる可能性が高い
- 値動きを追い続けることなく取引できる
- 匿名性が高い
ダークプール取引5つのデメリット
- 取引の執行が不確実
- 大口取引による先回り投資に巻き込まれる可能性
- 参加者が多くない
- ある程度の資産を有していないと取引できない
- 場合によっては取引コストが高くなる恐れ
- 取引時間に縛られなくなる点がダークプール取引の大きなメリット
- ダークプール取引を行う前にはルールの確認を
スポンサードサーチ
ダークプール取引対応のネット証券会社は?
日本では大手証券会社が機関投資家向けにダークプール取引を行っていて、立会外分売等もダークプール取引に一部該当します。
直近では個人投資家向けにシステムを提供しているネット証券が増えてきており、日本では現在4社となっています。
一般的にSOR(スマートオーダールーティング)注文の仕組みを取っており、注文の際に東証かPTS等のどちらか有利な方で注文を成立させることができるシステムです。
SBI証券
ネット金融で力をつけているSBI証券は、「SBBO-X」というサービスを提供しています。
株式手数料は通常よりも10%安く、場合によっては無料の方もいます。
成功報酬はゼロですが、SOR注文と、機関投資家からの注文がある場合には優先的に立会外取引を行うという形を取っています。
取引条件は預かり資産1,000万円以上の方が対象です。
松井証券
ネット証券大手の松井証券では、「ベストマッチ」というサービス名でダークプール取引が可能です。
株式手数料は通常の手数料と同様で、仮に有利な方で成立した場合は「差額の30%」を成功報酬としています。
取引は信用取引口座を開設していることが条件です。
カブドットコム証券
MUFGグループのカブドットコム証券では、「SOR」というサービスでダークプール取引を提供しています。
グループ傘下の米国・モルガンスタンレーMUFG証券が提供する「MSプール」というダークプールシステムを利用しており、手数料は通常取引と変わりません。
スマートプラス
新興勢力であるスマートプラスが提供するコミュニティ型無料株取引アプリ「ストリーム」は、SOR取引を駆使したものとなっています。
株式手数料は恒久無料を宣言しており、成功報酬は50%と設定しています。
大手に比べるとコスト面が気になる部分ですが、フィンテックを活用しているシステムとして最も安い値段で取引を成立させる仕組みが取られています。
>>【無料】ゼロから安定して稼ぎ続ける投資家育成講座をタダで学ぶまとめ
今後ダークプール取引のシェアが増えていくことが想定されます。
匿名性が高い反面、取引におけるノイズが今後入ってくると考えられます。
そのため、取引参加者が増えることで個人投資家へのメリットが増えてくる可能性が十二分にありますので、まずは正しい知識を有して取り組んでみましょう。
絶対読んで欲しいおすすめ記事!
いいね!しよう
情報を受け取れます