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米国FRBによる「利上げ」と「資産を縮小」2重の金融引き締め。
これらは米国の金融政策ですが、米国ドルは基準通貨のため日本株はもちろん世界経済にも影響を与えます。
FRBの利上げが日本株にどのような影響を与えるのでしょうか?
日本株の動向を探っていきましょう。
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米国のFRBとは
米国FRBの利上げについて取り上げていきますが、まずは基本情報から確認しておきます。
世界経済に与える影響が大きいFRB
各国には金融政策を決定する中央銀行があります。
日本でいうと日本銀行がその中央銀行に当てはまりますが、米国の場合はFED(連邦準備制度)という形で中央銀行制度があります。
FED(連邦準備制度)を統括しているのが、FRB(Federal Reserve Board) = 連邦準備制度理事会
7人の理事によって構成
現在の議長はジャネット・イエレン氏
金融業務を担当がFRB(Federal Reserve Bank)= 地区連邦準備銀行
12の連邦準備銀行
米国の金融政策を決定する会合がFOMC(連邦公開市場委員会)
FRBの理事7人と連邦準備銀行の総裁5人が議決権を持つ
金融政策を話し合い政策を決定
年8回開催
このように米国は1つの中央銀行ではなく、FED(連邦準備制度)という形で金融政策を決定しています。
そんなFRBの金融政策は、世界中の株価・為替に大きな影響を与えるので、FRBの議長ジャネット・イエレン氏の発言は世界中の注目を集めます。
FRBが注目される理由
FRBが利上げをする大きな目的は、市場のお金をコントロールし物価を安定させることにあります。
FRBはこれまで、2008年以降のリーマン・ショックといった米国の金融危機に対処するため、金利を事実上のゼロに引き下げるゼロ金利政策を決め、更に量的緩和政策も実施してきました。
長期にわたる金融緩和の結果、米国経済は回復し2014年10月には量的緩和政策を終了、2015年12月にはゼロ金利政策を解除。
これまで行ってきたゼロ金利政策というのは、金利なしでお金を貸すことなので異常な状態でした。
だからこそFRBとしては金利を上げて物価を安定させたいのです。
そこで金融緩和終了後は低い水準のFF金利を元の水準に戻す為、FRBは徐々に金利引き上げを誘導する金融政策へと流れを変えました。
※FF金利とはフェデラル・ファンド・レートの略
通常、金利を上げれば銀行などからお金を借りて設備投資をする企業が少なくなり、企業の成長が鈍化し、それが景気悪化へと繋がります。
また、利上げは為替や株価にも大きな影響を与える為、金利を上げるタイミングは慎重になる必要があります。
そのためFRBは景況感指数や失業率といったデータ、市場の反応などを見ながら利上げを行い、市場のお金をコントロールし物価を安定させようとしています。
世界経済にも大きな影響を与える米国の金融政策が変わっていく中で、世界中の投資家はFRBの利上げに注目しています。
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FRB利上げの影響力とは
米国の利上げによって日本株はどのような影響があるのでしょうか。
日本株への影響
FRBが利上げをすることで日本株にはどのような影響があるのか、いくつかシナリオを考えていきます。
シナリオ①┃ドルが買われた場合
米国の金利が上がると、リスクの高い新興国への投資から米国のドルへと投資家資金が流れることでドル高になります。
ドル高になることで対円は円安ドル高になります。
円安になれば、外国人投資家が積極的に日本株を買ってくるので、日本の株価は上がります。
シナリオ②┃企業の成長が鈍化した場合
利上げをすることで、米国の企業業績に悪影響を与える可能性があります。
それにより企業の成長が鈍化し、景気悪化へと繋がります。
米国株は下落し、米国株の影響を大きく受ける日本株もそれにつられて下落する可能性があります。
シナリオ③┃利上げが織り込み済みだった場合
FRBの利上げは、ある程度行われる時期が市場予想で織り込み済みとなり、株価への影響はほとんど出ないことも考えられます。
ただ、利上げが市場予想から大きく外れた発表であれば、リーマンショック時の利上げのように世界金融危機を招く可能性もあります。
そうなれば日本株も大きく暴落する可能性も出てきます。
FRBの利上げによってこれらのシナリオ等が考えられますが、世界情勢や地政学的リスクなど様々な要因によってその都度予想も変わるので、米国の利上げは注視していく必要があります。
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過去利上げした際の株価動向
実際FRBの利上げにより日本株、ドル円はどのような動きになったのでしょうか。
過去のFRB利上げの影響
2015年12月のゼロ金利を解除後から、FRBの利上げが行われたのは4回です。
時期 | ドル円 | 日本株 |
2015年12月FRB利上げ | 円高 | 株安 |
2016年12月FRB利上げ | 円高 | 株安 |
2017年3月FRB利上げ | 円高 | 株安 |
2017年6月FRB利上げ | 円安 | 株高 |
実際のチャート
このように、FRB利上げの影響を受け円高株安となるケースが多く見られました。
特に、2015年12月の利上げ後の影響は大きく、円高株安が約8ヵ月も続き、日経平均株価は最安値14,952円02銭を付け、ドル円は99円87銭をつけるなど大きな下落となりました。
この時の動きには、チャイナショックや原油下落などの要因もあり世界的に下落する展開で、投資家はリスク回避の動きが目立っていました。
その後の利上げでも、日本株は円高株安の展開が多く見られましたが、2017年6月の利上げでは好調な米国株などの影響もあり円安株高の動きもありました。
- 利上げにより円安ドル高のシナリオなどが予想できるが、様々な要因によって変わりやすい
- 利上げの影響で円高株安となるケースが多く見られた
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FRB今後の利上げと株価予想
今後FRBの利上げはどのように行われていくのでしょうか。予測していきましょう。
FRBの利上げは年内にあと2回?
FRBによる利上げは世界的に影響を与える力を持っている為、今後の利上げ時期が気になるところです。
次なる利上げのタイミングを予測していきますが、まずFOMCの金融政策目標を確認すると
- 利上げ目標は2%前後
- FF金利の誘導目標は年1.50~1.75%
- 2018年内に3回の利上げが見込まれる
これらの目標を元に利上げを行っていきます。
今後9月と12月に再び利上げに踏み切る可能性が高いとも言われていますが、慎重に市場の反応も見ながら行う必要があるので、地合い等により見送る可能性もあります。
今後の株価は利上げにより上がる?下がる?
FRBが重要視しているコア個人消費支出(PCE)物価指数などの主要指数が低下していることもあり、米国の物価上昇が鈍化している点を踏まえると今後始まる2重の金融引き締めは株価下落を招く恐れもあります。
ただ、米国株が好調であれば今後の利上げでも日本株は上がる期待もあります。
その理由として、日本株は米国株との連動が強く、同じような動きをするパターンが多いことにあります。
下記のチャートでは、好調な米国株の動きに合わせて、日本株も同じ上昇率で推移しています。
期間2年の日足チャートとなり、日経平均株価とNYダウの動きを重ねたものです。
日経平均株価の方が荒い値動きとなっていますが、2016年1月20日の安値から2017年9月26日までの倍率はほぼ同じで、
- 日経平均株価倍率 137.77%
- NYダウ株価倍率 144.61%
何度か大きく乖離している期間はありますが、その後同じ水準で倍率を合わせています。
これらのことからも米国株が好調であれば、日本株も上昇する可能性が高いと予想できます。
- 次は2018年9月に利上げを行う可能性が高く、年内にあと2回行うと言われている
まとめ
FRBは量的緩和政策とゼロ金利を終え、利上げ、金融引き締めを行う時期に突入しています。
そのFRBの利上げにより株価は下落しやすく、円高になりやすい特徴が分かりましたが、それでも徐々にNYダウは上昇し史上最高値を更新してきました。
日本株は米国株に連動しやすい特徴から今後の株高に期待ですが、米国の主要指数がポイントとなる可能性があります。
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