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投資妙味が高いと認識されているIPO投資ですが、IPO投資は決して証券会社からの公募売出しだけに妙味があるわけではありません。
実は、上場日に買い付けをする「セカンダリー投資」での勝率が非常に高いということはあまり知られていないのです。
今回は、IPOの「セカンダリー投資」の魅力についてメリット・デメリットを含めてわかりやすく解説していきます。
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なぜIPO狙いのセカンダリー投資が有利なのか
市場に上場する際の初値で買い付けする「セカンダリー投資」は高い魅力を持っています。その理由は2つあります。
ボラティリティ(値動き)が大きい
セカンダリー投資は簡単に言えば「場に出ている株を買い付けする」と、至って他の株と同じ投資方法です。
しかし、セカンダリー投資は既に上場している銘柄を購入することとは少し訳が違います。
セカンダリー投資が有利である理由の1つ目は、「ボラティリティが大きい」ということです。
ボラティリティは「値動き」のことを指します。
値動きが大きければリスクは高まりますが、その分上昇時の利益を短期的に取りやすいといった側面があります。
セカンダリー投資では、IPO公募で買えなかった人、会社の将来性に期待している機関投資家を中心に買いを集めやすくなるため、必然的にボラティリティが大きくなり、規模が小さいIPOでも売買しやすくなります。
空売りが少なく値下がりしにくい
もう1つの理由は「空売りの心配が少ない」という点です。
新規上場したての銘柄は、証券会社から株を借りて売り、安くなったところで買い直して利益をとる「空売り」がほぼできません。
その為、仕掛け的な売りが少なく公募組の売却が売りの中心となります。
注目が高い銘柄ほど買い需要が高い為、早めに仕込むことで大きな利益に繋げられるのがセカンダリー投資の妙味でもあります。
- セカンダリー投資は値動きの大きさと空売りの少なさから利益が狙いやすい手法
セカンダリー投資の勝率を高める方法
次に、セカンダリー投資で勝率を高めるための方法について解説していきます。
セカンダリー投資は、正しい知識を持つことで勝率を高めることが可能です。
初値買いで上昇トレンドに乗る
セカンダリー投資の一番ポピュラーな手法である「初値買い」のポイントを見ていきます。
上場数 | 初値勝ち敗け | 勝率 | |
2018年 | 27 | 23勝4敗 | 85.2% |
2017年 | 94 | 84勝10敗 | 89.4% |
2016年 | 92 | 70勝21敗1分 | 76.1% |
2015年 | 97 | 84勝11敗2分 | 86.6% |
2014年 | 83 | 65勝15敗3分 | 78.3% |
2013年 | 60 | 56勝3敗1分 | 93.3% |
上記の表は、2013年から2018年6月13日時点でのIPO投資の公募価格から初値との差を表したものです。
見てみると約8割の確率で公募価格から初値が上回っている計算になります。
この事からもIPO投資の妙味がある訳ですが、実際は最低単位の株数しかもらうことができません。
IPO自体これまでの大株主から株を一般の投資家に配分し、株主数を一定数確保する必要があるからです。
そこで、多くの投資家は成長性に期待しIPO株を初値で買いに向かいます。
仮に成長シナリオ通りに会社が成長する場合、株価は大きくなっていきますので、初値での投資が高い妙味を持つことになります。
セカンダリー投資の成績はと言いますと、実際に初値買いで初日に全て売却した場合の勝率は約8割ほどです。
従って、公開初日の公募価格で購入し初日の終値で売却すると、高い勝率が期待できるという結果となりました。
仮に短期勝負でIPOセカンダリー投資を行いたいと考えている方は、「初値買い+初日終値売り」が向いているでしょう。
公募割れ・公開価格の割安な状態で買い
IPO銘柄は必ずしも上昇するとは限りません。
実際に公募価格から初値が割れる銘柄も少なからずあります。
初値が割れる銘柄の特徴として、以下の特徴が多くの場合で該当しています。
・VC(ベンチャーキャピタル)が大株主に多く名を連ねている銘柄
・過去に上場廃止になり再上場する銘柄
・業種が地味な銘柄
・上場市場が東証2部
しかし、公募割れをしてしまう銘柄の中には後ほど大きく値上がりしている銘柄も多くあります。
例えば「スシローGHD(3563)」と「コメダHD(3543)」はいい例でしょう。
両社とも飲食店として知名度が高いものの、投資妙味が低いと上場初日に大きく売られ、両社とも公募価格から-4.7%の公募割れをしてしまいました。
しかし、仮に初値で購入して2018年6月現在まで保有していた場合、両社とも2倍以上の利益が出ている結果に。
IPO投資の場合、どの銘柄でも投資をしていい訳ではありませんが、企業の実態を判断し、成長が期待できる企業であれば公募割れ銘柄であっても大きく利益を取ることができます。
公募割れ銘柄を狙う場合は、短期よりも長期が向いていると言えます。
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セカンダリー投資の注意点
IPOセカンダリー投資のポイントを解説してきましたが、注意点もあります。
初値が数倍と過熱気味
セカンダリー投資をするに当たり、全銘柄をアタックして利益を取りに行く方法もありますが、その際に注意してほしい点があります。
それは「初値が数倍」になっている銘柄の初値買いです。
通常上場時には東証より「制限値幅」が公表され、当日中にその幅を超えた値上がりはできません。
注目銘柄の場合、初日に値段がつかずに翌日、翌々日と繰り越される銘柄もあり、公開価格よりも「100%~250%」程度の初値をつけた銘柄は初日売却でも利益を取れる確率が高いです。
ただ、それ以上の大きな値上がりで初値を付けるような銘柄は、その過熱感から一旦利確売りが大きく出てしまい、急落を招く可能性も高まります。
初値天井のケースもある
初値で3倍以上の値をつけた銘柄については、それが「天井」になってしまい、以降初値以下を推移するという傾向があります。
実際に2018年4月に上場した「HEROZ(4382)」は、公募価格の1088.9%と10倍近い初値を付けたものの、初値で購入し2018年6月まで保有した場合-58.3%と大損を出してしまう結果となりました。
IPOセカンダリー投資をするにあたっては、数日値が付かず過熱気味の銘柄、市場期待が異常に高い銘柄については、慎重な投資判断が必要となります。
大損を出さないためにも、投資前には目論見書等の企業情報を見極めて買う銘柄・買わない銘柄を選びセカンダリー投資を行うことをお勧めします。
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まとめ
セカンダリー投資は非常に有効な投資方法であると言えます。
しかしながら「IPO = 公募価格」という考えの投資家が多いこと、そして、公募価格で購入し初値でIPO投資が有利なことも事実です。
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今回のIPOセカンダリー投資について正しい知識を持つだけで、IPO公募投資よりも高い確率と大きな利益を取りに行くことが可能となりますので、ぜひ実践してみることをお勧めします。
まだセカンダリー投資をしたことがない方は期待できる企業を探し、シミュレーションをするなどをして取り組んでみて下さい。
ただし、投資にはリスクが伴いますので、時間がある際に企業情報や投資情報に目を通すように心がけましょう。
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