株の基礎知識

投資クラブという個人投資家同士で資金を出し合う組織の正体とは?

 

今回は、謎の多い投資クラブについて。

投資クラブは、2008年のリーマンショック前まではある程度の規模の団体が乱立していたのですが、近年は下火になっています。

 

株式投資を独学で学ぶのはモチベーション的にも厳しい部分があるため、投資クラブのような環境で仲間と一緒に学べる環境作りは重要でしょう。

2019年現在も実際に活動を行っている投資クラブもご紹介していきます。

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投資クラブとは

投資クラブの概要について説明していきます。

投資クラブは民法上の組合という位置づけ

投資クラブとは、数名~20名程度の個人投資家が資金を出し合い、合議の上で銘柄選定を行って投資し、その収益を分け合う組織のこと。

民法上では「組合」という位置づけになっています。

 

投資が盛んなアメリカでは投資クラブは一般的ですが、日本ではあまり広く知られてはいません。

1997年に当時の大蔵省が日本証券業協会に作成させたガイドラインを踏まえて、投資クラブは認可されています。

投資クラブの目的は投資の学習と経験

投資クラブの目的は、共同で投資に関する学習をして知識を習得し、実際の投資をすることによって経験を積むことにあります。

 

多くの投資家から資金を集めてプロに運用を委託する投資信託や、投資のプロに助言をしてもらう投資顧問とは違うので把握しておきましょう。

 

投資クラブは個人投資家が集まって投資スキルを磨くための集まり。

利益ではなく、あくまで知識や経験を得ることを目的に設立されています。

 

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投資クラブにはいくつかの制約がある

投資クラブは団体である以上、いくつかの制約やルールがあります。

 

前述したガイドラインによると、

  • 会員は20人程度とする
  • 投資対象を決める総会を年10回以上開催する
  • 証券会社の役職員は入会できない

 

などの規定があります。

 

投資クラブとして投資する際には、どの証券口座を使うかも制約され、個人でも法人でもない投資クラブに対応している証券会社は少ない

また、特定口座が使えないため、確定申告の際にも大きな手間が掛かる点もネックになっているようです。

 

【ここだけチェック!】
  • 投資クラブは投資の学習と経験を目的に、20名程度の個人資産を運用してる組織
  • 様々な制約が多い投資クラブは近年では下火になっている
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投資クラブのメリット・デメリット

投資クラブのメリットとデメリットについて。

値がさ株への投資チャンスが増える

投資クラブのメリットは、資金を出し合うことで個人では手の届かない銘柄に投資するチャンスが増えることが挙げられます。

 

例えば、ファーストリテイリングやキーエンス、任天堂などの一部の値がさ株は、個人の資金では買えなくても、組織なら買える可能性も。

東証で最も株価が高いファーストリテイリングは、購入資金が約500万円です。

ただ、2018年10月に東証では全ての銘柄が一単元100株に統一されたため、以前より比較的買いやすい銘柄が増えました。

 

現在では投資金100万円もあれば、東証に上場している銘柄の98%以上を買うことができます。

そのため、現在では個人が資金を出しあう投資クラブのメリットが少々薄れていると考えられます。

セミナーや勉強会が開かれている

投資クラブにおけるもうひとつのメリットは、一緒に投資を学ぶ仲間と切磋琢磨して成長できる点でしょう。

定期的なセミナーや勉強会が開かれていることもあります。

 

株式投資を一人で学ぶというのはモチベーションの観点から辛いものもありますが、そういった不安を解消することができます。

 

余談ですが、230億円トレーダーのcisさんも、投資仲間とオフ会をしてから勝てるようになったという逸話があります。

セミナーや勉強会では色々な気づきや学びが得られるでしょう。

個人の意見を反映しづらい

投資クラブでは、合議制によって投資対象となる銘柄が決定されます。

 

規約によると、投資判断の議決権は出資割合に関係なく1人1個となっており、意思決定には過半数の同意が必要。

ある程度の金額を出資しているにも関わらず、個人の考えが反映されづらいとなると、「個人で投資した方がいい」となってしまうこともあるでしょう。

 

ネット証券の発展による手数料の低下や一単元100株に統一の動きなど、個人投資家の投資環境は劇的に良くなっています。

そのため、近年では投資クラブが下火になっているのでしょう。

 

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  • 投資クラブでは資金を出し合うので個人では買えない銘柄が買える
  • 投資クラブは合議制によって購入銘柄を決めるので個人の意見は通りづらい
  • cisさんも投資仲間とのオフ会で投資人生が激変したように、プラスの出会いがある
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投資クラブの紹介

実際の投資クラブをご紹介します。

ICAS(イカス)

ICASは、投資クラブ設立・運営をサポートするNPO法人として2000年に設立されました。

 

2019年現在も活動を行っており、投資クラブの設立や設立総会の開催、投資クラブの証券口座開設といった投資クラブサポート事業を広く行っています。

 

実は投資クラブは誰にでも設立することができるのです。

もし投資クラブを設立する機械がありましたら、ICASの力を借りてみると良いでしょう。

NPOエイプロシス

NPOエイプロシスは、2007年頃に積極的な活動を展開していたNPO団体です。

 

かつては150名以上の証券カウンセラーが、無償で証券投資に関する基礎知識の普及・啓発活動を行っていました。

ただ、2019年現在ではホームページが閲覧できない状態で、存在しているかどうかは不明。

 

グーグルで「投資クラブ」を検索すると、2007年以前の記事がたくさん出てきますが、これは2008年のリーマンショックの影響が大きいと考えられます。

投資クラブは以前はある程度の規模の団体があったものの、リーマンショックを境にその多くが活動を休止したものと思われます。

 

2012年末以降のアベノミクス相場では株式市場に再び活気が戻っていますが、その間に個人投資家の環境が良くなったことから、投資クラブの復活には至らなかったのでしょう。

 

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まとめ

投資クラブは、最大20名の個人投資家が資金を出し合って投資を行う組織であることがわかりました。

その目的は株式投資を学習・経験することにありますが、投資クラブに対応できる証券会社は少なく、特定口座が使えないなどの制約もあるのが現状です。

 

また、投資クラブに入ることで大型の優良株に投資できるメリットもありましたが、近年はこの効果も薄れてきているために下火となっているのでしょう。

SNSの普及もあり個人の活躍が目立ってきましたが、これをモチベーションにより一層投資活動に専念してみてはいかがでしょうか。

 

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