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「日経平均の2倍の利益を目指します」
「株式相場が下落していても利益を出せます」
というと、魅力的な商品に見える方も多いと思います。
これらは今回ご紹介する派生商品型ファンドの特徴でもあります。
派生商品型ファンドはうまく使えば高い収益が望めますが、その分ハイリスク。
また、長期投資には向かないなどクセのある金融商品ですから、特徴を知ることも不可欠です。
少なくとも多額の損失を出さないために、ぜひ派生商品型ファンドについて知っておきましょう。
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派生商品型ファンドとは、どのような特徴を持つファンドなのでしょうか。
本記事ではまずこの点について、解説していきます。
そもそも派生商品とは?
派生商品型ファンドの「派生商品」とは、金融派生商品を指します。
金融派生商品は以下のように定義されており、デリバティブとも呼ばれます。
「株式、債券、金利、通貨、金、原油などの原資産の価格を基準に価値が決まる金融商品の総称です。(中略)取引形態としては、先物取引、オプション取引、スワップ取引、フォワード取引などがあります。」
一例として、金の相場が下がると基準価額が上がるファンドなどがあげられます。
また原資産の2倍など、原資産をもとにした指数を基準とするファンドもあります。
一例として、日経平均レバレッジ・インデックスを基準として日経平均の2倍の収益を目指すファンドや、日経平均インバース・インデックスを基準として日経平均と反対の値動きを目指すファンドがあげられます。
ブル・ベア型ファンドが代表的
派生商品型ファンドの代表的な金融商品は、ブル型ファンドや、ベア型ファンドと呼ばれる投資信託です。
ブル・ベア型ファンドは、さまざまな運用会社から40種類以上のファンドが商品化されています。
ヘッジファンドは派生商品型ではないが、金融派生商品を利用している
いわゆるヘッジファンドも、金融派生商品を利用している投資信託です。
絶対収益型ファンドなどは、ヘッジファンドの一部に分類されます。
派生商品型ファンドは「ヘッジ目的以外に活用するファンド」と定義されているため、通常ヘッジファンドが派生商品型に分類されることはありません。
しかし、ヘッジファンドは金融派生商品を利用することも多いため、本記事で解説する内容は参考となるでしょう。
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派生商品型ファンドの特徴
派生商品型ファンドにどのような特徴があるか、確認していきましょう。
相場の下落局面でも利益を出せる商品がある
派生商品型ファンドのなかには、相場の下落局面でも利益を出せる商品があります。
たとえば株式のベンチマークとして使われるTOPIXや日経平均には、TOPIXインバース指数や日経平均インバース・インデックスといった指数があります。
TOPIXや日経平均と逆の値動きをすることが特徴ですから、株式相場が下落局面にある時に指数の値は上昇することとなります。
従って、これらの商品に投資することで、相場の下落局面でも利益を出すことが可能となります。
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ハイリスク・ハイリターンとなりがち
派生商品型ファンドのなかには、ベンチマークの2倍や3倍、なかには5倍の利益を目指すファンドもあります。
もちろん相場が値上がりすれば、値上がり幅を大きく上回る利益を手にできることはメリットです。
一方で値下がりした場合は、値下がり幅を大きく上回る損失をこうむることにもなります。
このため派生商品型ファンドは、ハイリスク・ハイリターンとなりがちです。
相場がアップダウンを繰り返す局面では損失となる場合が多く、長期投資には不向き
相場は通常アップダウンを繰り返すことが多いですが、この場合、派生商品型ファンドはトータルで損失となることが多くなります。
その理由は、日経平均やTOPIXなどといったベンチマークの増加・減少額をもとに基準価額を決めるわけではないことにあります。
実際には日経平均やTOPIXなどをもとにした指数について、前日からの騰落率を掛けることで当日の指数が決まり、これをもとに基準価額が決まることになります。
たとえば日々の騰落率を日経平均の騰落率の2倍とした指数「日経平均レバレッジ・インデックス」と日経平均株価を比べた場合を考えてみましょう。
基準日を1日目とした場合、日々の値動きが以下の通りであったと仮定します。
2日目 | 3日目 | 4日目 | |
日経平均株価 | +2.5% | +5.0% | +2.7% |
日経平均レバレッジ・インデックス | +5.0% | -10.0% | +5.4% |
上記をもとにトータルでの値動きを計算すると、以下の通りとなります。
2日目 | 3日目 | 4日目 | |
日経平均株価 | +2.5% | -2.6% | ±0% |
日経平均レバレッジ・インデックス | +5.0% | -5.5% | -0.4% |
日経平均株価は4日目に基準日と同じ水準まで戻っている一方、日経平均レバレッジ・インデックスの方はマイナスとなっています。
これは上昇も下落も2倍となるため、特に下落する際のマイナスが大きく運用成績に響くこととなるためです。
従って、派生商品型ファンドは上昇基調、あるいは下落基調といった短期投資の場面に向く商品です。
一方で、長い目で見ると相場は上昇と下落を繰り返しますから、長期でじっくり資産を増やすには不向きのファンドとなります。
- 派生商品型ファンドは相場の下落局面でも利益を出せるメリットがある
- 派生商品型ファンドは短期投資に向く金融商品
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ブル・ベア型ファンドの特徴
派生商品型ファンドの代表は、ブル・ベア型ファンドです。
この特徴について、確認していきましょう。
ブル・ベアとは何か
ブル・ベアとは、相場の値動きやトレンドを示す用語です。
ブルは相場の上昇を示し、ベアは相場の下落を示します。
従ってブル型ファンド・ベア型ファンドは、それぞれ以下の特徴を示します。
- ブル型ファンドは、相場が上昇すると利益が出る
- ベア型ファンドは、相場が下落すると利益が出る
ブル型・ベア型ともに、値動きの2倍から5倍の利益を目指すファンドも多く商品化されています。
ファンドが値動きの目標とする倍率は、商品説明や目論見書などに記載されています。
倍率が高いほどハイリスク・ハイリターンとなりますから、投資する前に必ずチェックしましょう。
投資対象は主に4種類
ブル型・ベア型ファンドの投資対象は、主に以下の4種類となります。
- 為替(米ドルやユーロ、豪ドルなど)
- 株式(日経平均レバレッジ・インデックス/日経平均インバース・インデックスなど)
- 債券(公社債や債券先物取引など)
- 金(金先物取引など。コモディティ型に分類される場合もある)
このなかでは、株式を対象とするファンドが多くなっています。
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1倍のブル型ファンドを見かけない理由
ブル・ベア型ファンドの商品一覧を見ると、ベア型の方が多いこと、またブル型には1倍の商品を見かけないことにも気づいた方はいるのではないでしょうか。
1倍のブル型ファンドは、ベンチマークの1倍の値動きを目指すファンドのことであり、すでにインデックスファンドという商品が存在します。
現実の相場ではアップダウンを繰り返すため、1倍のブル型ファンドと比べてインデックスファンドの方が、理論上は良い運用成績となります。
このことが、1倍のブル型ファンドを見かけない理由と考えられます。
逆にベア型で1倍のファンドは存在しますから、その分だけベア型のファンドの方が多くなります。
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- ブル型ファンドは相場が上昇した場合に、ベア型ファンドは相場が下落した場合に利益が出るファンド
派生商品型ファンドに投資する際のポイント
派生商品型ファンドに投資する際には、必ずチェックしておきたいポイントがいくつかあります。
どの値に連動する商品かを確認し、売り時を逃さない
派生商品型ファンドに投資する場合は、どの値に連動する商品かをよくチェックすることが必要です。
たとえばベンチマークに投資する商品の場合は、ベンチマークに連動する商品と、ベンチマークと反対の値動きを目指す商品の2通りがあります。
このうちベンチマークに連動する商品は、ベンチマークの下落が損失につながります。
一方で、ベンチマークと反対の値動きを目指す商品の場合はその特性上、ベンチマークの上昇が続くと上昇率を超えて基準価額が下落することになります。
このため、投資対象となるベンチマークを確認のうえ、値動きをよく注視し売り時を逃さないことが重要です。
また、金などコモディティ型ファンドの場合は、投資対象となる商品の相場もチェックしておきましょう。
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ブル・ベア型ファンドの場合は、倍率のチェックも必須
ブル・ベア型ファンドの場合は、倍率のチェックも必須となります。
この倍率は、レバレッジとも呼ばれます。
同じベンチマークを対象とするファンドでも、倍率の違いによって基準価額の変動幅は変わります。
2倍よりも3倍、3倍よりも5倍というように、倍率が大きくなるほど基準価額の値動きは激しくなります。
どれだけリスクを取れるかという確認をするためにも、倍率のチェックは必須です。
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まとめ
派生商品型ファンドはその性質上、値動きが大きくなりがちで、短期間で多額の収益をあげられる一方、大きな損失をこうむるおそれもあります。
このため投資対象が何であるか、またファンドの倍率を確認することも必須です。
加えて、投資対象のベンチマークを頻繁にチェックすることも重要。
派生商品型ファンドは、短期間で収益を狙うには適した金融商品ですから、売り時を逃さないようにすることが大切です。
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