ファミリーファンド方式の投資信託の特徴と投資する際のポイントを解説

最近では投資信託の商品に、「ファミリーファンド方式で運用」という文字を見ることが多くなってきました。

 

ファミリーファンド方式は普通の投資信託と違う点があるのか、また特別な注意点があるファンドなのかは、気になるところだと思います。

 

ファミリーファンド方式は、運用会社にも投資家にもメリットのある運用方法です。

しかし、メリットを正しく生かすためには、投資家の皆さんにもチェックしておいて欲しい点があります。

 

今回は、ファミリーファンド方式の投資信託について特徴やメリット・デメリットを解説し、あわせて投資する際のポイントも解説します。

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ファミリーファンド方式の投資信託とは？

ファミリーファンド方式の投資信託とは、どのような特徴があるのかについて解説していきます。

募集用のファンドと運用するファンドを分ける方式

ファミリーファンド方式とは、募集用のファンドと運用を行うファンドを分ける投資信託を指します。

 

募集に使うファンドをベビーファンド、実際の運用を行うファンドをマザーファンドと呼びます。

ベビーファンドはマザーファンドに投資し、マザーファンドが株や債券などの金融商品に投資します。

 

マザーファンドは複数のベビーファンドから資金を集めて、運用を行います。

一方で、ベビーファンドでは分配金や為替ヘッジ、現金の管理などが行われます。

ベビーファンドとマザーファンドの運用会社は同じ

ファミリーファンド方式を利用する投資信託では、ベビーファンドとマザーファンドの運用会社は同一となります。

 

この点は、ファンド・オブ・ファンズ方式の投資信託と異なる特徴です。

 

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ファンドの資産の一部を直接金融商品に投資する商品もある

ファミリーファンド方式で運用する投資信託のなかには、マザーファンドへの投資を基本としつつ、一部の資産を株式や債券などに直接投資する場合もあります。

 

投資先の比率は運用報告書に記載されていますから、事前にチェックしておきましょう。

見分け方は「ファミリーファンド方式で運用」と書かれていること

ファミリーファンド方式の投資信託は、Webサイトなどに記載の商品説明や目論見書などに「ファミリーファンド方式で運用」と記載されています。

 

従って、この表示があるかどうかをチェックポイントとして使うことができます。

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ファミリーファンド方式のメリット

ファミリーファンド方式には、さまざまなメリットがあります。

それぞれのメリットについて、解説していきます。

運用会社の手間が軽減され手数料などに反映される

ファミリーファンド方式の投資信託では、実際の運用は一括してマザーファンドで行われます。

 

このため以下の事項は、マザーファンドで一括して行われます。

従って、ベビーファンドで検討すべき項目は少なくなり、運用会社の手間も軽減されます。

 

売買コストもマザーファンドで行うため、それぞれのファンドごとに売買をするよりもコストの削減が図れます。

この結果、手数料が低くなるなどのメリットが得られることが多いです。

 

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マザーファンドでの運用により規模のメリットも得られる

投資信託は運用報告書の作成などに経費がかかります。

 

経費率はファンドの規模にかかわらずほぼ同じであるため、ファンドの規模が大きくなるほど低くなる特徴があります。

ファミリーファンド方式で運用した場合、ベビーファンドはマザーファンドの決算情報を使えるという特徴がありますから、その分経費が節減できます。

 

また資金をマザーファンドに集めることにより、ベビーファンド自体の資産総額は少額であっても、繰上償還されにくくなるメリットもあります。

 

このようにファミリーファンド方式には、規模のメリットもあります。

決算回数が異なるファンド、為替ヘッジあり／なしファンドも揃えやすい

ファンドには投資先が同じでも、以下のように種類が分かれているものがあります。

 

このようなファンドの運用は、まとめてマザーファンドで行うと効率的となります。

 

また年2回決算の姉妹商品として、毎月決算型のファンドを発売するといったことも容易となります。

 

ファミリーファンド方式ならマザーファンドは年2回決算の商品と同じですから、マザーファンドでの運用方針もそのまま使えます。

このため、顧客のニーズに沿った商品を迅速に発売開始できることもメリットとなります。

発売開始したばかりのファンドでも、実績豊富なファンドと同様の信頼と運用成績をあげられる

ファミリーファンド方式では、実績豊富なファンドをマザーファンドとすることができます。

 

このため通常の投資信託商品よりも、発売開始時点からの信頼を得やすいことがメリットです。

 

また、発売を開始したばかりのファンドでも、初年度から実績豊富なファンドと同等の運用成績をあげられる点もメリットとなります。

 

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ファミリーファンド方式のデメリット

ファミリーファンド方式はデメリットが少ない方法とも言われていますが、まったくないわけでもありません。

どのようなデメリットがあるか、解説します。

独創的なファンドはつくりにくい

ファミリーファンド方式の商品内容は、運用会社が扱うマザーファンドの種類によって制約されます。

 

従って、ファミリーファンド方式である限り商品開発の工夫には限度があります。

このため独創的なファンドを出しにくいことはデメリットとなります。

 

 

ファミリーファンド方式の投資信託でチェックしておきたいこと

ファミリーファンド方式の投資信託に投資する場合は、事前にチェックしておきたい点がありますので解説します。

マザーファンドや商品の組み入れ比率は必ずチェックしよう

ファミリーファンド方式で運用する場合、運用成績はマザーファンドの結果に依存します。

 

従って、以下の点をチェックすることが大切です。

 

複数のマザーファンドを持つ場合は、それぞれのマザーファンドをチェックすることをおすすめします。

 

ファンドによっては資産の一部を直接株式や債券等に投資している場合があります。

この場合は、ベビーファンドの運用報告書もチェックしておきましょう。

分散投資をしたい場合は異なるマザーファンドの商品を選ぼう

分散投資の条件には、投資先が別々であることがあげられます。

 

ファンドの商品名が異なっていても、マザーファンドが同じであれば分散投資とは言えません。

従って、ファミリーファンド方式のファンドに投資する場合は、マザーファンドが異なるファンドを組み合わせることが大切です。

 

またマザーファンドとベビーファンドの運用会社は同一ですから、異なる運用会社のファンドを選ぶことも、分散投資を実現する1つの方法となります。

 

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手数料のチェックも忘れずに

同じマザーファンドに投資するファンドでも手数料が異なる可能性はありますから、事前にチェックが必要です。

 

また、購入時手数料は購入する証券会社等で異なりますから、よく比較することが必要です。

 

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まとめ

ファミリーファンド方式は、同じ投資先でも毎月決算型など、投資家のニーズに沿った商品開発がしやすいというメリットがあります。

 

一方で、効果的に投資を行うためにはマザーファンドのことも知ることが重要です。

運用成績がよく、手数料も安価なファンドに複数投資して分散投資したつもりになっていたら、実はマザーファンドが同じだったということも起こり得ます。

 

手数料や運用成績だけをチェックしがちですが、分散投資のためにはマザーファンドが何かについても調べるようにしましょう。