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「見せ板(見せ玉)」との意識が無くても、普段の株取引のなかで一度はそのような場面に遭遇しているかもしれません。
特に、投資初心者やデイトレーダーにとっては重要なことです。
万が一、株価操作に騙された場合は大きな損失となりかねませんので、見せ板がどのような効果を持つのか、過去の事例も併せて把握しておく必要があります。
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大量の売買注文の出現は見せ板の可能性

株取引をしていると、突然「見せ板」が出現することがあります。
禁止されている見せ板とは?
見せ板とは、取引を成立させる意志の無い大量の売買注文のことで、その注文を出している人物が、ある価格で株を売り抜けたい場合に行われます。
どうして取引するつもりの無い注文を出すのでしょうか?
例えば、株価100円で売り抜けたいとき、その価格より少し安い95円辺りで大量の買い注文を出します。
すると、大量の買い注文を見た他の投資家は以下の行動をとります。

このようにして気配値が徐々に上がり、売りたい価格に届いたところで見せ板を出していた人物は上手く売り抜けます。
その後、売買するつもりの無かった大量の買い注文(見せ板)がキャンセルされることで、他の投資家は慌ててパニック的な急落を招くのです。
反対に、安く買いたい場合にも見せ板が行われることもあります。
板情報を見るとどのくらい注文が入っているのか株式の需給状況が分かりますが、この板だけを見て売買の判断をする投資家は大勢います。
特にテクニカル重視のデイトレーダーや投資初心者など、値動きの軽い小型株を短期で売買される方は注意が必要でしょう。
機関投資家は見せ板行為が許されている
実は、個人投資家が見せ板を行うことは禁止されていても、機関投資家の利用は許されている場合があります。
※機関投資家というのは個人からお金を預かり、膨大な資金を長期保有を前提とし運用している団体のこと。
ではなぜ、機関投資家は見せ板を許されているのでしょうか?
その理由は、見せ板を利用する「目的」が違うことが考えられます。
機関投資家の資金は膨大なため、1度の取引で個人投資家と同じように売買していては市場に大きなインパクトを与えてしまいます。
このときリスク管理を徹底するためにも流動性を確保しなければなりませんが、その際に行われるのが見せ板なのです。
見せ板を利用することで取引が活発であると判断され、アルゴリズムや個人投資家が反応し、流動性が生まれ、機関投資家はスムーズな売買ができます。
つまり、板が薄いと一度の取引で株価を大きく動かしてしてしまうほど資金力があるので、その影響を抑えるため見せ板が行われているのです。
長期保有が目的なので、見せ板で株価が上昇したからといって株をすぐに売ったりはしませんから、個人投資家は利益を得る機会が増えることになります。
悪影響がないことを考えると、機関投資家による見せ板が許されている理由がお分かり頂けるのではないでしょうか。
- 見せ板はある人物が不正に利益を得ようと行われている
- 機関投資家による見せ板は認められているが利益が目的ではない
証券取引法違反!見せ板で逮捕された事例

証券取引法違反で禁止されている見せ板には厳しい罰則があります。
相場操縦行為
利益を得るために意図的に相場を動かそうとする行為は禁止されており、10年以下の懲役、及び3,000万円以下の罰金、さらに相場操縦行為によって得た財産も没収となります。
初めて摘発された事例
2004年11月30日、見せ板が初めて摘発された事件で、北海道釧路市の会社員は懲役1年6ヶ月、執行猶予3年、罰金100万円の有罪判決が下されました。
懲役1年6ヶ月~2年2ヶ月の事例
2009年9月29日、見せ板によって2銘柄で利益を得た会社役員と無職の2名はそれぞれ懲役1年6ヶ月~2年2ヶ月、執行猶予4年、罰金150万円~300万円、追徴金約2億2,000万円の有罪判決が下されました。
懲役2年4ヶ月の事例
2010年10月28日、見せ板によって3銘柄で利益を得た会社役員は懲役2年4ヶ月、罰金600万円、追徴金約2億6,000万円の有罪判決が下されました。
3億円以上の利益を出し懲役3年の事例
2011年8月5日、見せ板によって2007年から2010年の間に、3銘柄で3億円以上の利益を得た会社役員は懲役3年、罰金300万円、追徴金約1億8,000万円の有罪判決が下されました。
個人投資家による見せ板は禁止されているものの、注文をキャンセルする行為は日常的に行われているため、実際のところ摘発は難しいものがあります。
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見せ板に関する予備知識まとめ

見せ板は、短期間で大きな利益を目的に相場を操る「仕手」と呼ばれる投機集団によく用いられる手法でもあります。
仕手の手口と同様の見せ板に注意すべきことは
仕手による相場操縦への監視が緩かったひとむかし前は、明らかに見せ板だろうと分かるような注文が横行していた時代もありました。
機関投資家と同じく資金力があり投資のプロである彼らは、株をいかに安く買い集めて高く売り逃げるかを考えており、株価を思いのまま操ります。
もしかすると、あなたも知らない間に被害に合っているかもしれません。
以下のケースは見せ板の可能性が大きいのでご注意下さい。
見せ板の可能性がある動き
例えば、買い板のほうが厚い局面で、売り板に断続的な買いが入っているに関わらず値段が上がらないようなケースでは、こっそりと売りをさばいていることが考えられます。
基本的に板は厚いほうに動くと言われています。
多くの投資家は現在の株価よりも下の値段に買いの厚い板があれば安心して買いやすい状況になり、結果的にそれが高値掴みということも。

しばらくすると大量にあったはずの買い注文は消え、板が崩れて(急落)しまい売るに売れないケースも少なくありません。
下値で待っている大量の注文は、他の投資家の買いを誘うための見せ板である可能性も踏まえたうえで取引の判断をするほうが賢明です。
証券取引法違反に当たる見せ板はインサイダー取引と同様取り締まりが難しいため、その被害は自分自身の知識を持って防ぐしかありません。
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アローヘッドの導入により見せ板が激減!
実は、2010年の大発会より東証の売買システムに「アローヘッド」が導入されたことで、見せ板は激減しています。
というのも、この売買システム・アローヘッドの性能が高く、約定スピードの向上等によって個人投資家による見せ板が非常に難しくなっているのです。
個人投資家がネット証券で売買する際に用いられる一部のツールでは、証券ディーラーと同様に全ての注文が確認できるようになっていることからも、見せ板が見抜きやすくなりました。
このシステムが導入された背景には2つの事件がきっかけとなっています。
-
2005年
ジェイコム株誤発注事件
マザーズに上場したジェイコム株を扱うみずほ証券の担当者が、61万円で1株の注文を誤って「1円で61万株」としたことで大混乱を招いた事件。
-
2006年
ライブドアショック
当時かなりの人気を集めたライブドアが不正な決算発表を行っていたことが発覚し、ジェイコム同様、市場全体を大パニックにした事件。
これらの事件を踏まえ、起こりうる様々な不正やミスを防ぐために導入された新システムが、アローヘッドというわけなのです。
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【株価の決まり方とは?株価決定における原則と法則を解説します】
- 見せ板は大きなパニック売りを招く恐れがある
- 東証の新売買システムの登場が見せ板を抑制している
まとめ
見せ板というのは、値動きが軽い小型株を中心に、特にデイトレーダーに好まれるような特定の銘柄で行われることが多いと感じます。
また、東証の注文の約4割がキャンセルされているとも言われています。
とくに短期で売買する際は見せ板の可能性も念頭に置き、異常な動きを察知できるよう細心の注意で取引を行うようにしましょう。
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